富岡住宅11号棟

今回の審査対象は「富岡住宅11号棟」です。富岡住宅は今回で3棟目となりました。 

今回の依頼人は金沢区の並木地区のマンション売買に強い不動産会社様。関東一円を営業エリアとする中手の不動産会社の金沢シーサイドタウンの店舗です。以前よりこの地域での適合証明書の発行依頼を頂けるご担当者様からでした。

今回の依頼は、2か月ほど前に他の棟の審査を実施したばかりで、建物情報(設計図等)も共通の事から、費用についても考慮することができました。

富岡住宅11号棟の特徴

富岡住宅11号棟

富岡住宅は高度経済成長期に都市部への人口増加によって不足した住宅を解消するために行われた大規模開発の一つです。 富岡は風光明媚な砂浜で別荘地で有名なところでありました。

遠浅の富岡の砂浜は容易に埋め立てが可能で広大な砂浜が埋め立てられました。その初期の住宅が富岡住宅です。開発者は当時の住宅公団です。立地的には富岡総合公園の東南側に位置します。

この一連の埋め立て地に開発されたマンション群を金沢シーサイドタウンといいますが、もともと何もない海に自由に線を引けたので、実に贅沢な住棟の配置になっていて、さながら公園の中にマンションがたたずんでいるようです。 なので、建物の間隔は広く低層で、ゆとりのあるオープンスペースが確保されています。上記の理由により、小さな子育てには最適な住環境といえるでしょう。

富岡住宅は、急激な人口増に短期で対処するために工期の短い工法を採用しています。 プレキャスト壁式鉄筋コンクリート造といいます。要するに現場で鉄筋や型枠を組んでコンクリートを打設して作るのではなく、あらかじめ遠方の工場で製作した床や壁のコンクリートパネルを持ち込んで組み立てる方法で建てられました。

旧耐震マンションであるにもかかわらず、耐震基準適合証明書が取得できる構造はこの構造なのです。5階建て以下の壁式鉄筋コンクリート造に当てはまります。 ただし、国土交通省の定める「簡易耐震診断法」で条件をクリアーする必要があります。 そのために設計構造図の閲覧が必要です。写真はそのための構造図に一枚です。これを基に耐震診断を実施ました。

ともあれ、旧耐震マンションの一連の「耐震基準適合証明」の審査はスムーズに進み、問題なく発行することができました。関係者の皆様ありがとうございました。