あやせグリーンハイツ3号棟

今回の案件は、「あやせグリーンハイツ3号棟」。 あやせグリーンハイツは今回で2回目となる審査である。 今回の依頼人は、海老名に営業店舗を置く大手の不動産会社様でした。 今回も旧耐震マンションの適合証明書発行に対応する事務所をインターネットで検索してクランツ事務所への問い合わせとなりました。

依頼人様曰く、当初は普段より取引のある建築事務所に依頼されたようですが、旧耐震のために対応不可とのことで途方に暮れていた時にクランツ事務所への照会がありました。

審査にあたって必要とされる書類のうち、「検査済証」または「建築確認台帳記載証明書」の入手ができないとのことでした。「建築確認台帳記載証明書」を綾瀬市が紛失していて発行不可の事でした。この問題については、前回の審査の資料でクランツ事務所が保持していて、対応可能です。

多くの物件を審査していると、所轄の役所にもいろいろと問題のある役所があります。 ある市役所は、台帳記載証明書の発行依頼を拒否しているところがありました。その理由が「●▼市では個人情報の公開はおこなわない」とのことでした。全く理解不能ですね。

台帳記載証明書よりもはるかに情報のレベルが上位の「登記事項証明書」は第三者でも誰でも取得することができます。これは単にサボタージュに他なりません。市役所が自ら不動産の流通を阻害していることになります。

綾瀬市役所の場合ではサボタージュというよりも書類の保管に問題がありました。幸いに前回の審査において、検査済証の写し」のデータをクランツ事務所にて保持していましたので事なきを得ました。

あやせグリーンハイツ3号棟の現地調査

あやせグリーンハイツ3号棟

当マンションの名前の通り、綾瀬グリーンハイツは小田急江ノ島線の長後駅から西方向に直線距離で1.5キロほどに位置します。上土棚ののどかな田園地帯です。神奈川県住宅供給公社がなだらかな丘陵地を大規模開発して作られました。 最寄りの鉄道の駅からは若干遠く徒歩圏ではありませんが、その分豊かな自然がたくさん残されています。子育てにはとてもいい環境ですね。

建物の形状は写真の通り、典型的な団地タイプです。このような外観は高い確率でRC壁構造です。 外観上はとてもシンプルで、5階建て以下であり、階段タイプになっています。

階段タイプとは、一般的なマンションの形状が階段又はエレベーターから北側の廊下を横移動して自分の自宅玄関に入りますが、壁式構造は廊下が無く階段から直接に自宅の玄関に入れる形をしています。そのためにマンション1棟に複数の階段があります。今回対象の3号棟は3つの階段が設置されていました。

上記のレイアウトのメリットはプライバシーが確保しやすいといえます。普通のマンションの場合では自宅の北側の部屋の外に廊下があり、窓ガラスの外に第三者が行き来することになります。このメリットはとても大きいです。そして隣棟間隔が広く、5階建ての低層のために天空がとても明るいですね。

今回は2回目の設計図の閲覧ゆえ、管理事務所のご担当とは面識もあり、現地調査も含めてとてもスムーズに進めることができました。関係者の皆様、お世話になりました。