ベルテ井の頭B号棟

ベルテ井の頭B号棟今回の旧耐震マンションの審査は東京都三鷹市の「ベルテ井の頭B号棟」です。 東京都の株式会社ハイアーグランド様からの依頼です。

当事務所の場合では基本的に対応エリアは神奈川県ですが、旧耐震の適合証明審査に対応してくれる事務所が見つからず、急遽当事務所への依頼となりました。

壁式鉄筋コンクリートの場合では、所定の要件をクリアーすれば耐震診断の上適合証明書を発行することが可能です。 そのためには構造設計図の閲覧が不可欠です。 大事なことは設計図書があることと、設計図書の閲覧を承諾していただくことです。

早速株式会社ハイアーグランドのご担当者様から管理事務所からの閲覧許可をいただきました。一般的には設計図書は管理組合事務所に保管されているのが通例ですが、「ベルテ井の頭」の場合では小ぶりなマンションのために管理事務所が無く、管理会社の書庫で保管されているとのことでした。

その管理事務所は「東京建物」の管理会社です。 事務所が東京駅のすぐ近く、八重洲に本社があります。 早々に八重洲の本社に出向き、必要な設計構造図を閲覧させていただきました。 閲覧と言ってもただ見るだけではなく、デジカメで記録させていただき帰社してその情報を元に耐震診断を行います。

ベルテ井の頭B号棟の現地調査

ベルテ井の頭B号棟

さて設計の構造情報は入手できましたので、実際の現地調査を行います。

午前中に東京から帰社し、すぐに車に乗り換えて現地調査に向かいます。当事務所は横浜金沢区の南端に位置していますので井の頭までは相当に距離があります。運行ルートは、横浜を経由して第3京浜を北上し、多摩川で環八に乗り換えて進みます。

当日は平日で時間帯はお昼を中心の交通事情は比較的スムーズで 二時間ほどで現地に到着することが出来ました。位置的には吉祥寺のすぐそばで、井の頭公園に隣接した清閑な住宅地にありました。 3階建てのマンションは旧耐震の建築時期にしては外観もきれいでした、外観はタイルを張ってあり、当時としても高級なマンションであったことが偲ばれます。

現地調査は外壁の目視と打診棒にて実施しましたが、目に付くエフロレッセンスも無く、構造躯体は健全に維持されていることが確認できました。目視における確認は問題はありませんが、あとはコンクリート強度です。

ベルテ井の頭B号棟は現場打ちの壁式鉄筋コンクリート造ですので、コンクリートの強度試験が必要です。 試験はシュミットハンマーを使用し、住居のPS内部の躯体壁面を利用して行います。 試験の結果は所定の回数の実施結果全てで必要な数字をクリアーしましたので、このマンションは「耐震基準適合証明書」の発行が可能なことがわかりました。

当日は雨模様の一日でしたが、問題なく遠隔地の東京において現地調査を実施することが出来ました。 買主様、株式会社ハイアーグランド様、有難うございました。