富岡住宅2号棟

今回の案件は、富岡住宅の2号棟です。 富岡住宅は過去にクランツ事務所において16号棟の耐震基準適合証明書を発行しています。富岡住宅は高度成長期に爆発的に都市部への人口集中が増えてたとによる住宅不足を解消するためにその当時の住宅公団が大規模開発をしたニュータウンの一つです。

この地域は、都市部で始まった急激な都市開発によって発生した建設残土を処分するための埋め立て事業が富岡の海で行われました。その昔富岡は東京湾でも貴重な砂浜だったのですが、都市部への一極集中の人口の住宅確保のためにこの地が埋め立て事業の場所として選ばれました。それが現在の並木です。

この埋め立て事業によってほぼすべての自然の砂浜は消滅することになりました。その代わりに作られたのが現在の海の公園砂浜です。ここには大量の山砂が千葉方面から運ばれて砂浜が作られました。いまではとても豊かな砂浜となっています。東京湾ではお台場と並んで実在する砂浜です。アサリもとてもおいしいです。

前置きが長くなりましたが、富岡住宅は旧耐震ではありますが、その当時の住宅公団が不足する住宅確保のために開発した構造様式が壁式鉄筋コンクリート造なのです。まさしく富岡住宅はその構造様式によって築造されました。

富岡住宅の耐震基準適合性

富岡住宅2号棟

前述しましたように、富岡住宅は当時の住宅公団が住宅不足のために開発した大規模ニュータウンです。 その当時では住宅不足を解消するために短期間で築造できる建築工法を選びました。それが「プレキャスト壁式鉄筋コンクリート造」です。何やらわかりにくいと思いますが、要するにコンクリー製のプレハブ工法のことです。あらかじめ工場にて作成したコンクリート製の壁や床を現地に持ち込み組立てています。

旧耐震のマンションでは、この住宅のように壁式鉄筋コンクリート造で5階建て以下の物件に限り、国土交通省が認める「壁式鉄筋コンクリート造簡易耐震診断法」にて判定を行い、基準をクリアーすることで適合性の確認をしています。まさしく富岡住宅はその定めに合致した工法でした。

あらかじめ現所有者から設計構造図の閲覧要請をしていただき、承諾を得たうえで設計図を閲覧しています。その設計構造図を基に、簡易耐震診断を行い、既定の満足を確認して「耐震基準適合証明書」を発行するにいたしました。

壁式鉄筋コンクリート造には2種類あって、一つは富岡住宅のようなプレハブ工法。もう一つは現地にて鉄筋や型枠を組み、コンクリートを流し込んで作る工法です。この工法ではコンクリート品質確認のためにコンクリートの強度試験が必要です。

旧耐震マンションでも、5階建て以下の壁式構造であれば「耐震基準適合証明書」取得の可能性があります。もしもそのような案件でお悩みならクランツ事務所へお問い合わせをどうぞ。