並木1-22-3号棟

今回の審査対象物件は金沢シーサイドタウンの並木1-22-3号棟です。このマンションも例にもれず高度経済成長期に爆発的に増えた首都圏の人口増に対処するために開発された大規模なニュータウンの一角にあります。

先に別ページにてご紹介しました富岡住宅も金沢シーサイドタウンの範疇に入りますが、並木1-22-3号棟は富岡住宅よりもワンテンポ開発時期が後になります。 基本的に金沢シーサイドタウンのマンションは低層で設計されていて、その中にシンボルタワー的に高層マンションが配置されているといった具合です。なので都会のマンション群によくある天空を覆いつくす圧迫感は少ない感じです。要するにとても開放的なイメージがします。

依頼人は以前よりお世話になっている仲介会社様で、最初の依頼も鎌倉の壁式構造の旧耐震基準適合証明のご依頼でした。それ以来の対象物件は、普通の新耐震マンションもありますが、ほとんどの場合で壁式の旧耐震の建物を担当させていただいております。

金沢シーサイドタウンのマンション群には低層の物件が多く、その多くが壁式構造になっております。それらが旧耐震なら、ほとんどの場合で耐震基準適合証明が可能ですので、もしもご検討の物件がこの金沢シーサイドタウンの場合ではお問い合わせいただければと思います。

設計図の閲覧と耐震診断

並木1-22-3号棟

並木1-22-3号棟の立地は、並木のマンション群のほぼ中央部に位置します、並木には1丁目から3丁目まで南東方向に展開していますが、その半分は一丁目で1-22-3号棟は一丁目の南端に近い位置に立っています。

すぐそばには並木第2小学校が隣接し、西側には船溜まりの海面が広がり、その船溜まりからは水路ですぐに金沢の海へと繋がっています。船溜まり界隈はセンターシーサイドの名称の商店街エリアで買い物にもとても便利ですね。

並木1-22-3号棟は壁式鉄筋コンクリート造(現場打)で4連戸3階建て12世帯の小ぶりな住棟です。階段が2か所設置されていて、それぞれの住宅には階段から直接に玄関ドアから入れます。これが普通のマンションとは異なる壁式構造の最大の特徴です。普通のマンションでは階段又はEVで所定階まで上がり、廊下で水平移動して自宅の玄関にたどり着きますが、このレイアウトでは廊下は不要なのです。その代わりに階段がたくさん配置されているのです。

壁式構造には現場打とプレハブ工法の2種類がありますが、並木1-22-3号棟は現場打で現地にて鉄筋を組み型枠を組み、現地でコンクリートを打設していく工法です。 この工法ではコンクリートの強度試験が必要で、所定の強度をクリアーする必要がありますが、パイプスペースでの非破壊試験による結果は規定をすべてクリアーしました。

旧耐震のために新耐震並みの耐震強度が有る事を証明するために、耐震診断をする必要があります。そのために設計図の閲覧が必要で、設計図の保管場所(管理事務所)にて閲覧をさせていただき、そのデータを基に耐震診断を行い、すべての条件をクリアーしていることが証明できましたので、旧耐震マンションの「耐震基準適合証明書」を発行することができました。

並木地区のマンションは少々古いですが、旧耐震でも耐震基準適合証明書が発行できるマンションが多く、低層のために開放的で、建物もゆとりをもって配置されているのでとてもゆったりとした雰囲気です。