あやせグリーンハイツ2号棟

あやせグリーンハイツの所在は、綾瀬市上土棚南です。最寄り駅は小田急江ノ島線の長後駅で西方向に直線距離では2キロ程度あるでしょうか? 直線距離でこの距離は徒歩では無理ですね。交通手段は駅までおそらくバスになりますが、とにかくのどかな田園地帯にあります。開発・分譲は神奈川県住宅供給公社で、昭和54年6月に登記が成されて、耐震基準では旧耐震の住宅になります。

適合証明の審査のために様々な現地を訪問しますが、訪問場所によっては緊張することが多いですが、綾瀬は比較的楽な訪問先です。といいますのも現地調査には様々な道具が必要なので、移動は車になりますから、アプローチや駐車場所の確保もとても重要です。一番気を使うところは鎌倉でしょうか。立地状況が山が多く、道路もとても狭いのです。当然駐車場などは確保するのが難しいですね。

その点ではあやせグリーンハイツは最初から緊張することなく訪問することが出来ました。神奈川県の住宅供給公社が手がけたこの団地は、他の公共団体と同様にゆとりのある設計になっています。敷地の配置計画がとてもゆったりとしていて、敷地内の道路復員にも余裕があり、路上駐車も特に問題は有りません。 大規模マンションでも大手のデベロッパーが開発したマンションではこうはいきません。民間の大規模マンションなどは敷地内道路は狭く、最大限に居住者用の駐車場を確保していますから敷地に余裕が無く、臨時の駐車スペースが無いことが多いからです。

このような点を考慮すると、昔の住宅公団や住宅供給公社の開発したマンションはお買い得な部分は多いといえます。ただし大規模開発が故のデメリットは、最寄の駅まで遠いことが多い点でしょうか。ただこの点も大規模がゆえにバス会社で専用路線をつけている場合も有るので、割り切ればメリットで十分にお釣りがくるかもしれません。隣棟間隔が広く、敷地内道路に余裕があり、プライバシーを確保しやすい公的な分譲マンションはその昔はとても人気でした。

そもそも今回対象の壁式構造は、高度成長時代に爆発的な人口増加に伴う住宅不足を解消するために開発された工法といえるかもしれません。壁式構造には二種類の構造があります。現場築造と工場築造です。工場築造は工場であらかじめ作ったコンクリートの床や壁を現地に持ち込んで組み立てる工法です。高品質な部材を大量に供給するために開発されました。 

あやせグリーンハイツはとても地震に強い住宅

あやせグリーンハイツ2号棟

この工場築造タイプを「プレキャスト壁式鉄筋コンクリート造」と称し、その昔に大規模開発の住宅で大量に供給されました。あやせグリーンハイツもこの構造で、写真でも分かるとおり建物自体が長方形です。このようなスクエアな形状をした住宅を、「公団タイプ」とか「団地タイプ」を称していました。 壁式構造は構造的にとても地震に強い構造形式といえますが、このスクエアな形状がさらに耐震の性向上に寄与しています。このような形状の壁式構造の共同住宅なら、関東大震災級の巨大地震でもまず倒壊することは無いでしょう。

ともかくも、「あやせグリーンハイツ2号棟」は旧耐震設計によるプレキャストの壁式鉄筋コンクリート造の住宅のため、耐震基準適合証明には、耐震診断で基準をクリアーすることの確認が必要です。そのために設計図の閲覧が必要で、設計図書を保管している管理組合の閲覧承諾のもと情報収集をして、「壁式鉄筋コンクリート造の簡易耐震診断法」を行いました。

旧耐震では、登記費用の減税・住宅ローンの減税・不動産取得税の減税は原則では受けることが出来ません。そのためには「耐震基準適合証明書」が必要ですが、そのハードルはとても高いです。あやせグリーンハイツはそれらのハードルを全てクリアーすることのできる高いポテンシャルを持った住宅なのでした。