平塚若宮ハイツ第参弐号棟

平塚若宮ハイツは平塚市の市街地中央から北西方向へ5キロほどに位置します。 クランツ事務所は横浜市金沢区に事務所を構えていますので、港南台を経由して戸塚を通過して横浜新道に乗り、藤沢市城南から新湘南バイパスを利用します。 新湘南バイパスの終点で西湘バイパスに乗り替えて平塚を目指しました。距離的には40キロ程度ですが途中の渋滞を考慮して事務所を七時半に出発しました。

本日の目的は設計図の閲覧です。管理事務所に10時の訪問承諾を得ておりましたので、30分前までには現地に到着しておきたいのです。この仕事は初めての現地が多いので、車のナビは利用するものの現地付近に付いた後でピンスポットの場所までに辿り着くのにてこずることがあるから余裕を持って出かけます。 本日は特に大きな渋滞に遭遇することも無く、かなり早めに現地に到着してしまいました。管理事務所もすぐに判りました。

事前にアポととっていたこともあり、管理事務所の担当の方は快く応対していただけました。 設計関係書類が保管してある書庫に案内していただきましたが、たくさんの設計関連書類があるために対象の設計図を抽出するのは容易ではありません。この作業は管理事務所の一般の方には難しく、設計図を見慣れている専門家でなければ難しいでしょう。

ともあれ、対象の設計図を抽出することが出来、内容を確認の上で必要な図面をデジカメにて撮影していきます。事前調査で大体の事は推測していますが、その推測を設計図にて確定していきます。 この建物は事前予想のとおりプレキャスト鉄筋コンクリート構造であることが判明しました。

平塚若宮ハイツ第参弐号棟の特徴

平塚若宮ハイツ第参弐号棟

平塚若宮ハイツは典型的な壁式構造の集合住宅です。 壁式構造の特徴として、建物全体がとてもシンプルな形をしています。1階から最上階まで平面構成がほとんど同じです。折れ曲がったり凸凹していないのです。 ようは建物が長方形の形をしています。このような形は地震に有利な形といえます。

そして、もっとも特徴的なことがあります。それは階段タイプであることです。 階段タイプとは階段の左右に住宅が配置されている形を言います。階段から直接に自分の住居に入っていけるタイプです。 なので、階段タイプの共同住宅は1棟に複数の階段が設けられています。例えば1階に6住戸のある共同住宅なら、階段は3箇所設けられていることが多いです。

対するは廊下タイプです。普通のマンションではこの廊下タイプが圧倒的に多いです。このタイプは階段又はエレベーターで自分の住居のある階まで上がり、廊下を水平に移動して自分の住居に移動する形です。

壁式構造のメリットはプライベートを保ちやすいレイアウトであることです。なぜなら人の動線は階段のみだからです。ようするに一般的な廊下タイプの場合、廊下を水平移動する際に必ず自宅の北側の前を他人が通行することになります。 

平塚若宮ハイツは典型的な壁式構造の建築様式を採用しているために、その特徴を最大限に活用して設計されています。とくにこの当時の大規模開発(ニュータウンなど)は住宅公団や住宅供給公社といった公共団体が開発したこともあり、敷地に贅沢な平面配置となっています。要するに隣棟間隔が広く保たれているのです。 建物どうしが離れているためにさらにプライベートの確保に寄与して、さらに1階部分でも前の建物の日陰になることもありません。日当たりも抜群なのです。

この住宅の購入をお考えのあなたへ

平塚若宮ハイツ第参弐号棟

住宅の選定ポイントは人によって様々です。 駅の近さや階数や金額など色々有るでしょう。 それぞれの選定ポイントの中で、平塚若宮ハイツはプライベートの確保や耐震性・日当たり等ではとてもおススメできる住宅です。特に耐震性は秀逸で、旧耐震の設計であるにも拘らず、この「耐震基準適合証明書」が発行できるほどに建物強度に優れた構造形式です。

一般的に旧耐震設計の共同住宅では「耐震基準適合証明書」は取得できません。そもそも「耐震基準適合証明書」とは、対象建物が新耐震基準に適合していることを証明するものです。 なので本来なら平塚若宮ハイツは旧耐震のために取得できないことになります。

しかしながら、平塚若宮ハイツは壁式構造であるために「耐震基準適合証明書」を発行できるのです。その理由は、壁式構造が旧耐震設計でも耐震性能が抜群に優れているからなのです。 私たち専門家はその性能を証明しているに過ぎません。壁式構造ではない他の構造形式の旧耐震の建物では「耐震基準適合証明書」は取得できないのです。

上記、平塚若宮ハイツの優れたポイントを記しました。選定の参考情報としてご利用くださいませ。